熱狂か、嫌悪か。最も人々を二分化するロックスター。
Machine Gun Kelly(以下MGK)のドキュメンタリー、「life in pink」の配信がDisney+で始まった。去年は映画「downfalls high」を観てMGKをめっちゃ好きになって、アルバムtickets to my downfallもかなり聴いた。でも彼のことはまだ全然知らなくて、だから今回ドキュメンタリーを観られてよかった。彼のことがたくさん知れたから。
MGKと言えば、とにかくアンチが多い、というイメージを思い浮かべる人も多いと思う。もちろんファンも多いんだけど、アンチも多い。ドキュメンタリーの中でも、「俺の態度が原因かわからないけど、世界中に嫌われてる気がする」というようなことをMGK自身が言ってたし、ライブ中にペットボトルを投げつけられるシーン、殺害予告のようなことをされるシーンもあった。勝手なイメージで、MGKはそういう世間の意見とかあまり気にしてないのかと思ってたけど、実はすごく気にしてて、すぐ壊れそうな危うさを感じた。自己破壊が得意とも言っていて、それは自分が愛される価値がないと思ってるからとのこと。幼い頃の家庭環境とかも影響してるんだろうけど、それを聞いた後にインスタとかで血まみれの彼を見ると(昨日もワイングラスをわざと頭で割って頭から血を流してた)、そのうちふっと消えてしまうんじゃないかと怖くなった。
でも彼はミュージシャン、そういう痛みや苦しみを歌詞に書くことで爆発しそうな気持ちを処理している。私はいつも歌詞をじっくり読むんだけど、ticketsのアルバムに関しては、サウンドの良さが先行しちゃって正直あまり歌詞を読んでなかったんです。でもドキュメンタリー内で、歌詞が字幕でたくさん流れて、歌詞も含めて改めてこのアルバムはやばいと思ったので、昨日から歌詞を読みながら聴いてる。彼のファンの9割は、歌詞に共感してライブに来ているそうで、いじめられてたけど曲に励まされたと言って泣く小さい女の子のファンも映ってた(ここ一番泣いた)。なんだろう、人を動かすのってやっぱり共感、なんだろうなと思う。自分の経験でしか話せないけど、私もAvrilの歌詞に共感してなかったら、ここまで何年も深くずっと好きじゃなかっただろうし、歌を聴くたびに涙が出そうになる気持ちも味わうことがなかったと思う。MGKほどの自己破壊癖は私にはないけど、身を削ってしまう感覚、自分は1人なんじゃないかという不安、にはすごく共感できた。i think i'm okayの、“i think something's fuckin' wrong with me(きっと俺はどこかおかしいんだ)”という歌詞も、今はすごく重く聞こえるし、でも不思議な話、このドキュメンタリーを観た後から、今まで自分の中に蔓延っていた虚しさが少し消えて、数年ぶりに安心してる。これは孤独を感じながら生きてる彼を観て一人じゃないって思えたからかもしれない。こうやって自分を傷つけながらも強く生きてる人を見て共鳴すること、が私にとって一番救いになるみたい。映像内でMegan Foxが「今日来てる観客の中には自殺を考えてた子どももいるかもしれない。そういう人のために歌って」ってMGKに言ってたけど、彼に救われてる人はたくさんいるだろうから、これからも歌い続けてほしいなと思う。
正直サウンドとビジュアルだけで彼を評価してる部分が大きかったから、内面を知れてよかったです。タトゥーだらけの体も、弱さを隠すためなのかなと今は感じてしまう。どうか、自分を追い詰め過ぎず生きてほしい。努力家の部分も多くフィーチャーされてたけど、努力値については他に書きたいこともあるし、ちょっとまた考えがまとまったら次の記事にでも書きます。
Avril、MGKとbois lieのMVを撮るべき?って今日ツイートしてたけど、yes pleaseの一択です。
(今日のタイトル: drunk face/Machine Gun Kelly)
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