読書の秋、ということで最近読んだ本のことを書きますね。
前にも書いたけど、私が小中学生の頃に読んでた本。絶版になってるからAmazonの中古で買った。よく「バンドはいつ解散するか分からないからライブは行きたいと思った時に行かなきゃ後悔する」みたいなことを耳にするけど、本も欲しい時に買っておかないと手に入らないことあるんやなって思いました。ましてやこれ有名な本じゃないから、普通に”何をどう足掻いても二度と手に入らないもの”になりそうで怖くて買ったよ。
簡単にストーリーを紹介すると。
ロッテンという主人公の女の子とそのお母さんが、裕福な家族の住む大きなマンションに住み込みで働くことになるところから話は始まるんだけど、そこにはロッテンと同い年のマリオンって女の子がいて、どう見ても身分が違うんだけど、あるきっかけから秘密を共有して仲良くなっていくのね。ロッテンはマリオンとの秘密を守るために、夜中にお屋敷を歩き回るんだけど、その時にマリオンのお母さんも夜中に歩き回ってることを知って、そこでもまた秘密を共有する。
自分が何でこの本が好きだったのかな、って読み返しながら考えたけど、多分「秘密」と「真夜中」っていうものに惹かれたんだと思う。あとは身分だったり育った環境の違いは信頼関係を築くことに何の影響も与えない、ってこともかな、しかもその信頼関係を築いたのが「秘密」ってこともさらなるわくわく要素だったかもしれない。子どもが主人公の話だけど、大人になってからこそすんなり飲み込める部分もあったりで、楽しい読書体験でした。
小さい頃に、本を読む、ってことを教えてくれた母に本当に感謝。私は割と縛られて生きてきたと思うし、当時付き合ってた人の友達とかに「お前の彼女の家厳しすぎ」とか言われたこともあるし(今思えばなぜあなたが口出すんだいって感じだけど)、でもおかげで、悪いことができない人間になったよw、言い方おかしいけど、ワルに振り切れないというかw根っこをちゃんと育ててもらったなと思います、それは多分本を通して成長した部分もかなりある。
あとはこれは今日読み終わったばかりの本。妹に借りた、タイトルの通り短編がたくさん入った本なんだけど、その中の辻村深月さんが書いた「サイリウム」って話が良い意味でショッキングでした。
サイリウム、ってアイドルとかのコンサートで使ういわゆるペンライトのことだけど、これって一定時間しか光らなくていつか消えていくじゃないですか。それと同じように、アイドルとかアーティストとか応援したっていつか消える、必死で応援するのは虚しい生き方だ、何の意味があるんだろう、っていうことが書かれてて。もちろん「だからこそ美しいんだ」ってことも書かれてるんだけど、確かにな、と思ってしまった自分もいて。ファンでいるからこその幸せ、と同時に虚しさ、も描かれていて、共感というか痛かったです。
辻村深月さん、絶対何かの熱烈なファンだった経験がある方だと思う。
「ハケンアニメ!」っていうアニメ業界を舞台に描いた話でも、この人ファンの気持ちよくわかってるなー、って感じたことがあったから絶対そうだと思う。
あ、その「ハケンアニメ!」ですごく好きな部分があって。
「太陽くん、この世の中は繊細さのない場所だよ」
勉強に必要がないものを「無駄」だと切り捨てたり、現実の役に立たないと断じたり。わかりやすくお金を使った人が偉かったり、メインカルチャーに乗れない人が疎外されたり。
この世は、君の繊細さのひとつひとつを、丁寧に拾ってくれる場所ではない。
「だけど、それでもごくたまに、君を助けてくれたり、わかってくれる人はいる。わかってる気がするものを、観ることもある」
泣けませんか、、
これは本当に私もよく思う、というか昨日経験したばかり。
昨日ジョーカー観に行ったんだけど、それインスタのストーリーに載せてたら、ある人から「観たんやね」ってメッセージもらったのね、「めちゃくちゃ疲れて精神やられた」って返事したら、「何それ(苦笑)」、って言われて、これ!!!ってなったの。
感想はそれぞれあるから疲れた疲れないはどうでもいいんだけど、自分の思ったことを切り捨てる言い方をされるとめちゃくちゃ悲しくないですか。これが「繊細さ」の話だと思う。私には繊細さがある、とかいうことが言いたいんじゃなくて、人の感じたものを飲み込んでくれる人、っていうのは意外と少ないんだよな、ということ。それを理解できるかできないか、じゃなくて、飲み込んでくれるか。
そんな世の中で、たまに自分をわかってくれるものに出会うこともある。私はそれを探すために本を読み続けたり音楽を聴き続けたり映画を観続けたりしてるのかもしれない。と思いました。
今は朝井リョウさんの新刊「どうしても生きてる」を読んでる、これまた最初からものすごい衝撃だからまた感想書きます。
それではまた次の記事でー!
:)
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