april movie list


「サウンド・オブ・メタル」



(あらすじ)

ヘヴィメタルバンドのドラマーであるルーベンは、突然重度の難聴に陥り、聴覚をほぼ失う。当然、バンドの仕事はできなくなり、ルーベンは頭がおかしくなりそうなほどの不安を抱える。そんなルーベンを救うため、恋人のルーは、ろう者のコミュニティに入るよう彼に勧める。そこでルーベンは、自分にとっての幸せを探り始める。









先月、「モキシー」が今年ベストって書いたけど、こっちがベストになったかも(映画のタイプも違うので何とも言えないけど)。めちゃくちゃ良かった、今年のアカデミーにノミネートされてるからこの作品知ったけど、本当に観てよかったと思った。


この映画は、聴覚を失うことがどういうことであるか、観ている側も体験するような感覚になる。徐々に音が消えていく世界、そして相手が言うことがわからないもどかしさ、も主人公と一緒に味わう。ちなみにタイトルの「サウンド・オブ・メタル」とは、もちろんメタルバンドのメタル、の意味もあるけど、人工内耳をつけた時の金属(メタル)のような音、という意味がメインらしいです、こういう含みがある言葉大好き。。



難聴のドラマー、と聞くと、障がいについて考える、みたいなことがテーマかな?と思う人もいると思うけど、耳が聞こえなくなる=ハンデを背負う、とかいう描き方は一切してない。劇中に、「問題はここ(耳)じゃなくて、ここ(頭=考え方)にある」、って台詞があるんだけど、これにはやられました。



この映画のキャッチコピーの一つに、「Life is noise.」っていうものがあるんだけど、騒音が人にどれほど影響を与えているか、をすごく考えさせられました。物理的な騒音はもちろん、情報過多、とかいう意味でも。うるさい世の中だからこそ、多くの人に観てほしい。


Amazonオリジナル。













「隔たる世界の2人」


(あらすじ)

タイムループに閉じ込められた男が、警察官に殺される恐怖を何度も繰り返す。ただ、愛犬の待つ家に帰りたいだけなのに。







これもアカデミーのノミネート作品。


最近流行りのタイムループものかあ、とかいう思いで観ると頭をぶん殴られるようなショックを味わう。これは、警察官による黒人男性への暴行事件を元にした作品で、タイムループは繰り返される人種差別、を意味しています。何度も何度も殺され、上手くいったかと思ったら、やっぱり同じ朝を迎えてしまう。でも自由を手に入れるためには何度も立ち上がるしかない、というメッセージを含んだ映画。


この映画、たった30分しかないんだけど、よくここまで綺麗にまとめたなってくらいエンタメ作品としても完成されてる、すごい。スマホをいじる30分を是非この映画を観る30分に当ててほしい、それくらいたくさんの人に観てほしい作品です。


Netflixにて。












「ノマドランド」


(あらすじ)

リーマンショックの後、企業の倒産とともになくなった街エンパイア。そこに暮らしていた60代のファーンは家を失い、キャンピングカーで生活するノマドとしての生き方を選ぶ。旅先での人々との交流などを通し、彼女は自分なりの自由を見つけていく。








図らずとも今回は全部アカデミーノミネート作品になってしまった。


映画館で観たのですが、まず映像がすごく綺麗。移り変わる空の色、なんて普段私全然見てないな、と気づかされた。




現代の人が失ったものを取り戻そう~、みたいな軽いテーマでもなく、でも日々いかに自分が余計なことにかかずらって生きてるかを突き付けられる映画だった。前も書いた気がするけど、「ホームレスじゃなくて、ハウスレスなだけなの」、って台詞があって、これに全てが詰まってる。建物としての家はあっても幸せを感じてない人は多くいると思うし、形あるものが全て、というわけでもない。でもだからと言って、ファーンのような車上生活が自由で最高かと言えば、100%そういうわけでもなく、何事も希望と絶望は紙一重なんだろうな、という感想も持ちました。


自分にとっての幸せとか、価値とか、ちゃんと見つけて抱きしめてたい。














今月紹介少なめで申し訳ないのですが、どれもよかったので全部観てほしい。まあまあ本数は見たんやけど、今月は結構手当たり次第に観たのと、上3つが良すぎたので3本に絞りました。私が翻訳した映画も、観ました!っていつもブログ見てくれてる方からメッセージもらって嬉しかった、人に読まれてることをたまに忘れて更新してる笑、ありがとうございます。。




今月は本もたくさん読みました(読んでます)、


「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」/山田詠美

「正欲」/朝井リョウ

「滅びの前のシャングリラ」/凪良ゆう

「52ヘルツのクジラたち」/町田そのこ

「その日、朱音は空を飛んだ」/武田綾乃(今読んでる)



本は話題のものを読めたので満足、映画も話題になってるうちに観ないとタイミング逃すから、最近は早めに観るようにしてる。






日曜はいよいよFiNOのライブなのであげてこ、という感じ、私いつも元気ないと思われてるのか(そういう雰囲気を出してる私が悪いんだろうけど)、よく人に心配されます、元気です、めちゃくちゃ。なんだろな、私の中で文章書く時の区切り方というかルール的なものがあって、それを適用すると、ぱっと見、文章の温度が下がるんですよね、だから病んでると思われるのかもしれない笑、これがワイの平常(ワイとか言ってるうちは大丈夫)、病んでる時は更新すらできないのでね、元気です。「元気です!!!」とか書いた方が良いのかな笑 、とにかく日曜が楽しみなので頑張ります



今週も皆が幸せでありますように




:)