you're a showstopper


最近の本事情、



最近は桐野夏生さんにハマってます。たまたま前TVのインタビューを観て、それをきっかけに手に取ってみたらまあ面白い。今は「グロテスク」を読んでて、昨日から下巻に入ったけど、タイトルのとおり人間の黒い感情が生々しく描かれてて、禁忌に触れているような、でも覗き見をやめられない、そんな感覚で読み進めてます。この前に読んだ「日没」、「燕は戻ってこない」も共通して主人公が結構ヤケになってるというか、決して善人ではない、そこが引きつけられる魅力の一つ。テーマとして女性の貧困というものもあったりするんだけど、どうにかして生きるしかない、といった覚悟の筆力、にも圧倒される。今まで年齢の近い作家さんを手に取ることが多かったんだけど、やはり年の功で、桐野夏生さんの本は知らない言葉がものすごくたくさん出てくる。ああ、語彙があればこんなにも細かい感情や描写を文章にできるんだな、と毎回思います(何回辞書引いたことか)。面白すぎてページを捲るのが止められなくて、450ページ弱ある本も2日とかで読んじゃったほど。楽しいです、まあまあえぐい話が好きな人は絶対ハマる笑、そんな作家さん、他の作品も読んでいく。









デジタル機器に時間を費やすより、やっぱり圧倒的に本を読んでたほうがいい、改めてそう答えを出してくれたのは、去年人気になった本、「スマホ脳」。まあ結論から言うと、スマホは良くないです。そんなの誰でもわかってると思うけど、何が良くないか、使い続けるとどうなるか、をあらゆる研究や実験の結果と共に説明してくれてる。





スマホは、私たちの脳に実に巧妙にハッキングすることに成功していて、例えば驚いたんだけど、インスタの「いいね」って、いいねがきた瞬間に通知がいくんじゃなくて、わざと時間ずらして投稿者に通知がいくようにしているらしい。何でかというと、「いいね来たかな?」と皆が繰り返し確認のためアクセスするように。インスタや企業側からすると、とにかくページ滞在時間を延ばすことが利益に繋がるから、人が快感を感じられ続けるような仕組みになってるとのこと(いいねや通知、様々な情報を目にすることで、ドーパミンが放出される、スマホはそういったちょっとしたドーパミン注射を1日300回も与えてくれる機械。そりゃ気持ちよくて皆見続けるわけだ)。気持ち悪いことに、人が1ページ/1投稿に留まる時間は4秒以下で、それを見てる時にも次のページのことを考えてるそう。それを一日に何回も繰り返してる(SNSは、甘いお菓子よりもドラッグに近い存在。)





だから何なの、見たいから見るよ、って言う人は別にいいけど、単純にこれはかなりまずいのではないかと私は感じました。スティーブジョブスは自分の子供にスマホを与えなかったらしいし(スマホが悪なのがわかってた)、こういった機器を開発しているシリコンバレーの人は「なんてものを作ってしまったんだろう」と冷や汗をかいて夜中に飛び起きたりすることもあるそう。便利、だけど、皆が支配されすぎてる。





電子書籍と紙の書籍、どちらがいいか、という実験もされてたんだけど、同じ本を読んだにも関わらず、電子書籍で読んだグループの方が内容をあまり覚えてない&物事が起こった順番も上手く答えられなかったという結果になったみたい。授業内容をノートに手書きでメモしたグループと、パソコンに打ち込んでいったグループを比べた時も、手書きのグループの方が要点を押さえられてたんだって。SNSが幸福度を下げることもきちんと実証されてたし(女子の方が他人と容姿を比べることが多く落ち込む人の割合が高い)、見なくてもスマホをポケットに入れてるだけで集中力が下がることもわかってる(画面裏返しにしてテーブルに置いてるのも同じ、そこにある、のが感じられるだけでもうダメみたい。物事に集中できなくなる)。これは人間の意志が弱いからとかそういうことじゃなくて、人間の脳の仕組みを上手く利用してるスマホがすごすぎるから故で、だからこそ意識的に離れるしかない、とのこと。スマホを触る時間が長ければ長いほど、身も蓋もない言い方するとバカになるし、目の前のことに集中して取り組めなくなるし、そうなると人との関係も悪くなるし、幸福度も下がっていく。怖すぎる。それがわかっても尚、執着する必要は。ないよね。






手放すのは無理でも、使い方は考えられる。他人といる時は取り出さない(伝染するから。一人が出すと皆が出す)、ベッドにスマホは持ち込まない、SNSはフォローしたい人だけ厳選してフォローする&パソコンからしか見ない等。運動したり睡眠をしっかりとるのももちろん大事で、こういうことをしっかりできてる人が、本当の意味で人間らしい人生を送れる、このデジタル社会で。気にしない人は全く気にしないんだろうけど、私はこの本読んで恐怖を感じたし、人生を見直すきっかけになったからよかった(最近はスマホはベッドから手が届かないところに置いて寝てる)。著者は精神科医なんだけど、近年なんか疲れてる人とか眠れない人が多いのは、はっきり明言されてなくても、ほぼ100%スマホのせいだと思ってるそうです。私がしょっちゅう病んでるのもスマホのせいかもね、そう考えると愚かすぎるな。時間も無駄にしてるしね。もっと大事なことあるし、自分の手で触れたところが世界、だと思うから、“ちゃんと”生きて、本来の自分取り戻したいです。(興味ある人ぜひ読んでみてください)






(今日のタイトル: all the things I hate about you/LIL HUDDY)